【その他の犯罪】
風営法違反
【罪名】
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反
【量刑】
無許可営業、不正手段による営業許可取得、名義貸し、営業停止命令等違反、禁止区域内での性風俗特殊営業(風営法49条):
2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金または懲役と罰金の併科
無許可の設備変更等、不正手段による設備変更許可取得または営業認定取得、18才未満の者の使役、未成年者に対する酒類の提供、禁止区域内での深夜飲食営業(風営法50条):
1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金又は懲役と罰金の併科
客引き又はつきまとい行為等、無届の営業、届出書の虚偽記載(風営法52条):
6月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金または懲役と罰金の併科
外国人従業者の身分確認違反(風営法53条):
100万円以下の罰金
従業員名簿の備付違反(風営法54条):
50万円以下の罰金
その他多数
【犯罪の内容】
風俗営業というと、性的サービスを行う店舗のことを思い浮かべる方が多いかと思いますが、それだけではなく、客にダンスなどをさせて接待をする営業や、客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業も含みます。
例をあげますと、キャバクラ、ホストクラブだけでなくスナック、麻雀店、パチンコ、ゲームセンターなども風俗営業に当たります。
風俗営業を営もうとする場合は、警察署を窓口として、風俗営業の許可を受けなければなりません。無許可で風俗営業を行うと刑罰が科されます。
風営法では無許可営業だけでなく様々な規制がかけられていますので、営業者は内容を理解しておく必要があります。
風営法違反に対してはまず営業停止命令や許可取消などの行政上の処分が検討されます。このような処分では防止しきれないと判断される悪質な違反行為に対しては刑事上の責任が問われます。
【弁護方針】
刑事処分の検討対象となった場合、捜査機関は違反事実の存在についてかなりの確証を得た上で逮捕などの強制処分を行ってきます。
被疑者が店舗の経営者である場合、早期の身柄解放は困難なものがあります。しかし、風営法違反では、実質的な経営者は別にいることがあります。
実質的な経営者が責任を逃れるために配下の者を届出上営業主体にしておくことがよくあります。名義上の経営者にすぎない場合、その事を示す客観的事実を示して、身柄拘束からの解放や無罪などを求めていきます。
被疑事実に争いがない場合、違反の態様、得た利益の額、違反に至った動機、前科等を検討し、酌むべき事情を探し出して減刑を求めていきます。
風営法違反は初犯から再犯までの期間が犯罪の中で最も短く、再犯可能性も高いものがあります。営業の背後に存在する違法組織と手が切れていることなど、再犯防止のための事情が挙げられれば、裁判所に対して大きなアピールになります。
風営法は細かい規制が多数ありますが、規制が形骸化している部分もあり、現実的にどう対応するべきか経営者の方には悩ましいものがあります。
警察から警告を受けるなどして今後についてお悩みの方は、専門家にご相談下さい。