人身事故で保険会社任せは危険?弁護士に依頼するメリットと刑事処分の回避

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はじめに

「車で歩行者と接触してしまった」「不注意で追突事故を起こし、相手に怪我をさせてしまった」

予期せぬ交通事故の加害者となってしまった時、多くの方はパニックに陥ります。そして、まず頭に浮かぶのは「任意保険に入っているから、示談交渉は保険会社がやってくれるだろう」という考えではないでしょうか。

確かに、被害者への「金銭的な賠償(民事責任)」については、保険会社が代行してくれます。しかし、あなた自身が逮捕されるかどうか、前科がつくかどうかといった「刑事責任(刑事処分)」について、保険会社は守ってくれません。

この記事では、交通事件(人身事故)における「民事」と「刑事」の決定的な違いを解説し、あなたの未来と生活を守るために、なぜ早期に弁護士へ相談すべきなのかを詳しくお伝えします。

交通事件・人身事故に関するQ&A

まずは、人身事故を起こした際に直面する疑問について、簡潔にお答えします。

Q1. 保険会社が示談交渉をしてくれているのに、弁護士が必要なのですか?

はい、必要となるケースが多いです。

保険会社の示談交渉はあくまで「民事上の損害賠償」に関するものです。警察や検察による「刑事処分(起訴や前科)」を軽くするための活動(被害者への謝罪や嘆願書の作成依頼など)は、保険会社の業務範囲外です。刑事処分を回避・軽減するためには、弁護士による弁護活動が必要です。

Q2. 人身事故で「前科」がつくとどうなりますか?

社会生活に様々な不利益が生じます。

前科がつくと、一定の職業(医師、教員、公務員など)に就けなくなったり、資格を失ったりする可能性があります。また、海外渡航が制限される国もあります。執行猶予がついたとしても「前科」扱いとなるため、不起訴処分(お咎めなし)を目指すことが重要です。

Q3. 逮捕されてしまいました。すぐに釈放されますか?

適切な対応をしないと、長期間拘束される恐れがあります。

交通事件でも、証拠隠滅や逃亡の恐れがあると判断されれば逮捕・勾留されます。最大で23日間拘束されることもあり、その間は会社や学校に行けません。弁護士がいれば、早期釈放に向けた働きかけを行うことができます。

詳細解説:保険会社ができること、できないこと

人身事故を起こした加害者が負う責任は、大きく分けて3つあります。ここを理解することが、正しい対応の第一歩です。

1. 交通事故の「3つの責任」

交通事故を起こすと、以下の3つの責任が同時に発生します。

  1. 民事責任(損害賠償)
    • 被害者の治療費、慰謝料、車の修理費などを支払う責任。
    • 担当:保険会社
  2. 行政責任(免許の点数)
    • 免許取り消しや免停などの処分。
    • 担当:公安委員会(警察)
  3. 刑事責任(刑罰)
    • 拘禁刑、罰金などの刑罰を受ける責任。
    • 担当:検察・裁判所

2. 保険会社の限界

皆さんが加入している任意保険には、「示談代行サービス」が付帯していることがほとんどです。しかし、これはあくまで「1. 民事責任」に限った話です。

保険会社の担当者は、被害者に対して「治療費や慰謝料をいくら支払うか」という交渉は行いますが、以下のような活動は一切行いません

  • 警察署での取り調べに対するアドバイス
  • 検察官に対して、処分を軽くするよう働きかけること
  • 被害者に対して、加害者の処罰を望まない旨の「嘆願書」への署名を求めること
  • 身体拘束(逮捕・勾留)からの解放活動

つまり、保険会社に全て任せているだけでは、民事上の解決はできても、「あなたが起訴され、前科がつく」という刑事手続きは淡々と進んでしまうのです。

3. 刑事手続きの流れとリスク

人身事故(過失運転致死傷罪など)の場合、警察による捜査が終了すると、事件は検察庁へ送られます(送検)。検察官は、事故の状況や被害者の処罰感情、示談の成立状況などを総合的に判断し、「起訴(裁判にかける)」「不起訴(裁判にかけない)」かを決定します。

  • 起訴された場合: 略式裁判(罰金刑)または正式裁判(拘禁刑)となり、有罪判決を受ければ前科がつきます。
  • 不起訴の場合: 裁判は行われず、前科もつきません。社会生活への影響を最小限に抑えられます。

この「不起訴」を勝ち取るためには、検察官が処分を決定する前に、適切な弁護活動を行う必要があるのです。

交通事件で弁護士に依頼するメリット

では、具体的に弁護士、特に私たち弁護士法人長瀬総合法律事務所のような刑事事件に精通した弁護士に依頼することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1:刑事処分(前科)の回避・軽減に向けた活動

これが最大のメリットです。検察官が起訴・不起訴を判断する際、最も重視する要素の一つが「被害者との示談状況」「被害者の処罰感情」です。

保険会社の示談(民事)は、「金額の合意」が目的であり、完了までに数ヶ月〜数年かかることも珍しくありません。しかし、刑事処分の決定はもっと早い段階で行われます。

弁護士は、民事の賠償交渉とは別に、刑事弁護として「被害者の許しを得るための示談(宥恕条項付き示談)」を迅速に行います。「加害者を厳しく罰することは望まない」という意思表示を被害者から取り付け、検察官に提出することで、不起訴処分の可能性を大きく高めることができます。

メリット2:不当な取り調べからの防御

事故直後の取り調べは、動揺している中で行われます。警察官の誘導により、自分の記憶と異なる不利な供述調書が作成されてしまうこともあります(例:「スピードを出していた自覚はなかった」のに「急いでいたのでスピードを出した」と記録される等)。

一度作成された調書を後から覆すことは極めて困難です。弁護士は、取り調べにどう対応すべきか、黙秘権をどう使うべきかなど、具体的なアドバイスを行い、不利な状況になるのを防ぎます。

メリット3:早期の身体拘束解放

もし逮捕・勾留されてしまった場合、弁護士は直ちに裁判所や検察に対して「逃亡や証拠隠滅の恐れがないこと」を主張し、身柄の解放を求めます。

早期に釈放されることで、会社を解雇されたり、学校を退学になったりするリスクを低減し、元の生活に戻れるようサポートします。

メリット4:精神的な支え

「刑務所に入るかもしれない」「一生免許が取れないかもしれない」という不安は計り知れません。

弁護士は、今後の見通しや最善の策を具体的に説明します。法の専門家が味方についているという事実は、大きな安心感につながります。

まとめ

交通事件(人身事故)において、「保険会社が対応しているから大丈夫」というのは、民事賠償の側面に過ぎません。あなたの人生、キャリア、社会的信用を守るための「刑事弁護」は、弁護士にしかできない領域です。

今回のポイント

  • 責任の区別: 保険会社は「お金(民事)」のプロだが、「処罰(刑事)」には介入できない。
  • 時間との勝負: 刑事処分は早期に決定されるため、保険会社の示談を待っていては手遅れになることがある。
  • 弁護士の役割: 被害者からの「許し」を得て、不起訴処分(前科回避)や刑の減軽を目指す。
  • 防御活動: 不利な供述調書の作成を防ぎ、早期の身柄解放を実現する。

次のステップ

もし、あなたやご家族が人身事故を起こしてしまい、警察の捜査を受けている、あるいは今後の刑事処分に不安を感じている場合は、一刻も早く弁護士へご相談ください

特に、以下のようなケースでは緊急性が高いと言えます。

  • 被害者の怪我が重い(骨折や入院など)。
  • 飲酒運転や大幅なスピード違反など、悪質な事情がある。
  • 事故現場で警察官の態度が厳しかった。
  • 逮捕される可能性がある、または既に逮捕された。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、交通事件・刑事事件の経験豊富な弁護士が、あなたの状況に合わせた最適な弁護プランをご提案します。初動の早さが、結果を大きく左右します。まずは私たちの無料相談をご利用ください。あなたの日常を取り戻すために、私たちが全力を尽くします。

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