Q&A
Q:当たり屋行為で詐欺罪や恐喝罪に問われることがあると聞きました。どのような行為が該当するのでしょうか?
A:当たり屋行為とは、交通事故などの際に意図的に他人に接触し、怪我をしたと偽って金銭を要求する行為です。これは典型的には詐欺罪(刑法第246条)または恐喝罪(刑法第249条)に該当する可能性があります。具体的には、故意に交通事故を起こし、実際には負っていない怪我の治療費や慰謝料を請求することが詐欺罪に該当し、また「払わなければどうなるか分かっているのか」といった脅迫行為を行った場合には恐喝罪が成立します。本稿では、当たり屋行為の具体的な事例と、それに対してどのような刑事責任が問われるのかについて解説していきます。
はじめに
当たり屋行為とは、交通事故などを装って他者に金銭を要求する行為です。社会的には迷惑行為であるだけでなく、法的にも重大な犯罪行為に該当します。特に詐欺罪や恐喝罪が適用されることが多く、被害者だけでなく社会全体に不安を与える行為です。ここでは、当たり屋行為が具体的にどのような罪に問われるか、そして被害に遭った場合の対処法についてく解説します。
1.当たり屋行為とは?
当たり屋行為とは、わざと事故を起こし、相手方に治療費や慰謝料を請求する詐欺的な行為です。被害者にとっては突然の事故であり、特に社会的地位の高い方や、事故が発覚することによって不利益を被る可能性がある方にとっては非常に大きな負担になります。そのため、当たり屋行為は被害者が警察に通報することを避けるケースが多く、それを悪用して金銭を不当に得ようとする行為が後を絶ちません。
2.当たり屋行為に適用される罪
当たり屋行為は、その内容によって詐欺罪や恐喝罪など複数の罪に問われることがあります。
詐欺罪(刑法第246条)
典型的な当たり屋行為は、わざと車などと接触し、怪我をしたと偽って治療費などを請求することです。このような行為は、実際には負っていない怪我の治療費を請求する点で「相手を騙して金銭を受け取る行為」として詐欺罪が成立する可能性があります。
恐喝罪(刑法第249条)
また、当たり屋行為では事故につけこんで相手に金銭を要求する際に、脅迫的な発言を行うケースが多く見られます。例えば、「払わなければ暴力団を使う」といった発言をして相手を畏怖させた場合には、恐喝罪が成立します。恐喝罪とは、暴行・脅迫によって相手を畏怖させ、財物を交付させた場合に成立する犯罪です。
3.刑罰の内容と法的手続き
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役、恐喝罪の法定刑も10年以下の懲役となっています。いずれも罰金刑が定められていないため、起訴された場合には刑事裁判が開かれることになります。通常、初犯であり被害者との示談が成立している場合には執行猶予付きの判決となることが多いですが、被害が大きい場合や悪質な場合には実刑が科されることもあります。
起訴猶予
検察官が事件を起訴しないことを起訴猶予といいます。犯罪の事実が軽微である場合や、既に被害者との示談が成立している場合など、国家として刑罰を科す必要がないと判断されたときに適用されます。しかし、たとえ示談が成立していたとしても、行為が悪質であると判断された場合には起訴される可能性があります。
4.当たり屋行為に遭った場合の対処法
当たり屋行為に遭った場合は、すぐに警察へ通報することが最も重要です。事故の発生時に相手が警察への通報を拒むような態度を示した場合は、当たり屋行為を疑い、冷静に対応する必要があります。また、被害に遭った後は、すぐに弁護士に相談し、法的なアドバイスを受けることが重要です。弁護士は示談交渉や警察対応など、被害者が適切に対処できるようサポートを行います。
5.弁護士に相談するメリット
弁護士に相談することによって、以下のようなメリットがあります。
1.法的な専門知識に基づいたアドバイスを受けられる
当たり屋行為のような複雑なケースでは、どのように対応すべきか分からないことが多いです。弁護士に相談することで、事案の見通しや対応策について専門的なアドバイスを受けることができます。
2.示談交渉のサポート
被害者と加害者との間で示談交渉を行う際、弁護士が代理人として交渉することで、被害者が直接交渉する負担を軽減することができます。
3.警察や検察との対応のサポート
当たり屋行為の被害に遭った際には、警察や検察に対してどのように対応すべきか分からないことが多いです。弁護士は捜査機関との対応をサポートし、被害者の権利を守ります。
まとめ
当たり屋行為は重大な犯罪行為であり、詐欺罪や恐喝罪に問われる可能性があります。被害に遭った場合は、すぐに警察へ通報し、弁護士に相談することが重要です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、当たり屋行為による被害についてのご相談も随時受け付けております。弁護士に相談することで、法的なアドバイスを受けながら、適切な対応を進めていくことが可能です。
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