【コラム】盗撮事件について

こちらでは、過去に当事務所で発行していた「ニュースレター」や、当事務所が運営する「企業法務リーガルメディア」にて公開されていたコラムをご紹介いたします

※「刑事事件3 盗撮事件について」より

はじめに

【コラム】盗撮事件について

近年、スマートフォンの普及もあり、盗撮事件は年々増加しております。家族や友人が盗撮で捕まってしまったという相談も寄せられることは少なくありません。

今回は、盗撮事件についての見通しや弁護人が付くことによるメリットについて解説していきます。

盗撮事件の逮捕・勾留の見通しについて

盗撮は窃盗や詐欺などの財産犯に比べ、職に就いており、身元も安定している方も起こしてしまうことがある犯罪です。

そこで、盗撮の証拠が抑えられている状況であれば、逃亡のおそれが低いと考えられる方も多く、そもそも逮捕されないケースや逮捕されても勾留されずに釈放されるケースが比較的多いものといえます。

勾留されるケースとしては、住所がないなどの身元が安定しない場合や前科が多数ある場合などがあります。また、盗撮行為は、携帯電話やパソコンなどの記録媒体の押収後に、当該記録媒体から多数の盗撮の写真や動画が発見された場合には、余罪が疑われ、勾留される場合もあります。

盗撮事件全体としては、常習性や前科があるといった場合でない限り、保釈請求は認められやすい事件です。

盗撮事件の量刑について

盗撮罪の法定刑

盗撮事件については、各県の条例において規制がなされております。

茨城県であれば、「茨城県迷惑行為防止条例」が盗撮行為についての刑罰を定めております。

同条例は、常習性のない盗撮行為について、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」(茨城県迷惑行為防止条例9条1項、同2条)と定め、常習性のある盗撮行為について、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」(茨城県迷惑行為防止条例9条2項、同2条)とされております。

考えられうる処分・量刑

盗撮事件については、被害者の間で示談が成立しているか否かが非常に重要であり、検察官が終局処分を決める上でも最も重要視されます。

示談が成立している場合には、不起訴(起訴猶予)となるケースが多く、示談ができない場合には、略式請求を経た後に罰金刑となることが多いです。

なお、前科や余罪がある場合では公判請求されることもあります。

弁護士に依頼するメリットについて

示談交渉による不起訴

前述のとおり、盗撮事件は、示談が成立するか否かが非常に重要視されており、示談が成立すれば不起訴となる可能性がある一方、示談が成立しない場合には、略式請求や公判請求がなされることとなります。

略式請求や公判請求により、罰金や懲役刑などの判決を受ければ、前科が付きます。盗撮事件を行った方の中には、一定の社会的な立場、社会的身分を有している方も多く、前科が付くことは失職等の大きなデメリットをもたらすおそれがあります。

そこで、示談交渉を弁護士に依頼するメリットは非常に大きいです。

勾留に対する意見書の送付・準抗告・保釈請求

弁護士に刑事事件を依頼する場合、弁護人は勾留についての意見書を提出し、勾留決定について争い(準抗告)、起訴された後に保釈請求をすることなどができます。

盗撮事件は、前科や余罪が存在する場合などを除き、比較的に保釈が認められやすい事件ですので、弁護士に保釈等を依頼するメリットがあります。

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