【財産犯罪】
横領
【罪名】
横領罪(刑法252条)
業務上横領罪(253条)
遺失物等横領罪(254条)
【量刑】
横領罪:
5年以下の懲役
業務上横領罪:
10年以下の懲役
遺失物等横領罪:
1年以下の懲役又は10万円以下の罰金もしくは科料
【犯罪の内容】
横領罪は、信任関係に基づいて他人の物を預かっていた者が、その物を自分の物とすることによって成立する犯罪です。人から借りていた物を返さず自分の物としてしまう場合などがこれにあたります。
業務上横領罪は、他人の物を預かる行為が業務であった場合に法定刑が重くなる横領罪の加重類型です。経理に携わっていた従業員が金銭を着服した場合が典型です。
遺失物等横領罪は他人の手から離れた物を自分の物とすることによって成立します。路上に落ちている財布等を拾って自分の物にしてしまう行為がよくある例です。
【弁護方針】
遺失物横領罪は約9割が不起訴処分となり、起訴されても罰金刑となる事が多い微罪です。
単純横領罪・業務上横領罪は、起訴率が4割となっています。起訴されるかどうかは、示談成立の有無にかかっています。
業務上横領罪は、被害金額が多額に上るため、示談が成立しなければ初犯であっても実刑となりやすいという特徴があります。しかし被害の弁償などが本人には無理であることが多く、支払の肩代わりを家族等に頼れるかどうかが大きなポイントになります。
横領をしてしまう方は得た金銭をギャンブルや買い物等で浪費しています。起訴されてしまった場合、示談以外にも、そのような浪費癖を改善することも必要になります。具体的には家族等と同居し生活の監督をしてもらうよう協力を取り付けることなどを行います。
無罪を主張する場合、被疑者の言い分をよく聞いて、横領罪の要件を一つ一つ検討していくことを行います。
横領されたとされる物は実は被害者の物ではなく被疑者の物であったり、被害者のために無断で財物の処分を行い結果的に財物が消滅してしまったということもあります。
そのような場合は横領罪にはあたりませんので、それを裏付ける証拠を集め、主張・立証を行います。