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野焼きによる火災事故から執行猶予判決へ:重過失失火の弁護事例

2024-10-02
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相談前の状況

依頼者(被告人)は、日常的に自宅近くで農作業を行っており、周辺の雑草や不要な枝を処分するために野焼きを行っていました。ある日、強風が吹き始め、火の管理が不十分なまま火が周囲に広がり、自宅の敷地を越えて近隣の家屋や物置にも延焼してしまいました。この火災により、近隣住民の家屋や財産に重大な損害を与えてしまい、被告人は重過失失火の罪で起訴されることになりました。

依頼者は高齢であり、体力的にも判断力が低下していることから、火の管理に関する意識が十分ではなかったことが原因でした。被害を受けた近隣住民からは多額の損害賠償を求められており、被告人自身も経済的な負担や刑事処分について大きな不安を抱いていました。家族も、この状況に対してどう対応すべきか途方に暮れ、当事務所に相談するに至りました。

相談後の対応

当事務所は依頼を受け、まずは火災が発生した状況や経緯を調査しました。被告人が高齢であり、体力的な問題から火の管理が困難であったこと、また火災当日は強風が突然発生したため、被告人が事前に予見するのが難しかったことを確認しました。これらの事情を考慮し、被告人が故意ではなく重過失により火災が発生したことを立証するための準備を進めました。

また、火災による被害を受けた近隣住民との間で示談交渉を開始しました。弁護士が被害者側に対して丁寧に事情を説明し、被告人が誠意を持って謝罪を行ったことに加え、被告人の家族が監督責任を持つことを誓約したことで、被害者側も理解を示してくれました。最終的に被害者との間で示談が成立しました。

この示談成立を受け、当事務所は裁判所に対して減刑を求めるための陳述を行いました。被告人の高齢と過失の度合い、示談の成立、そして今後家族が適切に監督するという誓約が考慮され、裁判所は情状酌量の余地があると判断しました。その結果、刑が軽減され、被告人は執行猶予付きの判決を受けることができました。

担当弁護士からのコメント

今回の事件は、日常の些細な行動が重大な結果を招く可能性があることを強く感じさせるものでした。依頼者が高齢であり、判断力が低下していたことから、火の管理に関して慎重さを欠いた結果、近隣住民に大きな損害を与えてしまいました。しかし、当事務所が早期に対応し、被害者との示談交渉を円滑に進めることができたことで、依頼者にとって望ましい判決を得ることができました。

また、家族による監督の誓約は、裁判所が依頼者の将来的な再発防止に信頼を置く要素となりました。刑事事件において、被告人自身の反省や誠意を示すこと、そして家族の協力が減刑に繋がる重要なポイントとなります。刑事事件で困難な状況に置かれている方は、早期に専門家へ相談し、最善の解決策を見つけることをご検討ください。


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