はじめに
暴行罪や傷害罪は、日常生活の中でトラブルが発生した際に問われることが多い罪状です。しかし、両者の違いや、法的な対応についてはあまり知られていないのが現状です。本記事では、暴行罪と傷害罪の違い、刑事弁護の基本方針、そして弁護士に相談するメリットについて解説します。
Q&A:よくある疑問
暴行罪と傷害罪の違いは何ですか?
暴行罪と傷害罪の最大の違いは、被害者がケガを負ったかどうかです。ケガがあれば傷害罪、なければ暴行罪が適用されます。具体例や詳細な基準については、後述で説明します。
逮捕された場合、弁護士に相談する意味はありますか?
はい、弁護士は早期の釈放を目指した交渉や、示談成立をサポートすることで、不起訴処分や刑の軽減を目指すことができます。
暴行罪とは
暴行罪の基本定義
暴行罪は刑法第208条に基づき、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかった場合」に成立します。ここでの「暴行」とは、他人の身体に対して不法な有形力を行使することを指します。例えば、殴る、蹴るといった直接的な行為だけでなく、次のような行為も含まれることがあります。
- 相手に石を投げつける(命中しなくても成立)
- 相手の近くに危険物をばらまく
暴行罪の法定刑
暴行罪の法定刑は次の通りです。
- 2年以下の懲役
- 30万円以下の罰金
- 拘留または科料
暴行罪は、被害者にケガがなかった場合に適用されるため、比較的軽い刑が科される傾向にあります。しかし、悪質性や再犯の有無によっては、厳しい処罰を受ける可能性もあります。
傷害罪とは
傷害罪の基本定義
傷害罪は刑法第204条に基づき、「人の身体を傷害した者」が問われる犯罪です。ここでの「傷害」とは、単にケガを負わせる行為だけでなく、次のような生理的機能の損傷も含まれます。
- 病気を意図的に感染させた場合
- 薬物を使用して意識障害を引き起こした場合
傷害罪の法定刑
傷害罪の法定刑は以下の通りです。
- 15年以下の懲役
- 50万円以下の罰金
傷害罪は、被害者の身体に具体的なダメージを与えた場合に成立するため、暴行罪よりも重い刑が科される傾向にあります。
暴行罪と傷害罪の違い
最大の違いは「ケガの有無」
暴行罪と傷害罪の大きな違いは、加害行為によって被害者がケガをしたかどうかです。例えば
- 暴行罪:被害者を殴ったが、ケガには至らなかった場合。
- 傷害罪:被害者を殴り、骨折や打撲などのケガを負わせた場合。
判断基準は「診断書」などの証拠
ケガの有無は、医師が作成する診断書などの証拠によって立証されます。そのため、加害者側がケガの程度を争う場合には、専門的な知識が必要となります。
刑事弁護の基本方針
1. 示談交渉の成功を目指す
暴行罪・傷害罪ともに、被害者との示談が成立すれば、不起訴処分や刑の軽減が期待できます。示談交渉では、被害者の感情を考慮しつつ、法的に有利な条件を引き出すことが重要です。
2. 事実関係を徹底的に調査
加害行為の有無や被害者の主張が正しいかを確認するため、事実関係の調査が必要です。目撃者の証言や監視カメラの映像などの証拠が重要な役割を果たします。
3. 法的手続きの適正を確保
刑事事件では、警察や検察の手続きが適正であるかどうかを確認します。不適切な証拠収集や違法な取り調べが行われた場合、それらの証拠は無効となる可能性があります。
弁護士に相談するメリット
1. 早期釈放を目指した活動
逮捕後すぐに弁護士を依頼することで、身柄の早期解放を目指すことができます。これには、勾留請求の却下や保釈申請などの手続きが含まれます。
2. 不起訴処分や執行猶予の実現
弁護士が介入することで、示談成立や反省文の提出を通じて、不起訴処分や執行猶予の獲得が期待できます。
3. 精神的な負担の軽減
刑事事件に直面すると、本人や家族は大きな不安を抱えるものです。弁護士に相談することで、適切なアドバイスや法的対応策が得られ、精神的な負担を軽減することができます。
まとめ
暴行罪と傷害罪は、日常のトラブルがきっかけで誰にでも起こり得る犯罪です。両者の違いや対応方法を正確に理解することで、適切な対応が可能となります。また、早い段階で弁護士に相談することは、事態の悪化を防ぐためにも重要です。
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